いいんだ、もう。


 だって、
 隊長と一緒に
 なったんだもの。
 今日からは
 一緒に
 暮らすんだもの。

 自分の部屋に
 戻らなくたって
 いいんだ。


ここが、「ボクの居場所」でいいんだ。

レニはそう呟くと、
まだ家具の少ない、がらんとした室内を見回した。


レニと大神は晴れて籍を入れ「夫婦」となり、
所帯を持つ事となった。
米田の口利きでこの一軒家に引っ越してきて、初めて迎えた朝だった。


レニは、花組のみんなに祝福されながら帝劇を後にした
昨日の出来事を、
古びてはいるけれど良く磨かれた、
床の一点を見つめながら、思い出していた。


 たいちょう・・・

 まだ眠っている
 大神のほほを、
 愛おしそうに
 レニは撫でる。

 大神の無精髭が
 ちくちくと
 指先に触れるたび、
 レニは言い様のない、
 しみじみとした幸せが
 こみ上げてくるのを
 感じずには
 いられなかった。


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